秋山真之の「真之」という名前の由来は、父・平五郎が漢詩に精読していたこともあり、漢詩の一句から名前をつけたといいます。
平五郎が選んだ詩人は、中国後漢時代の文人張衡(ちょうこう)です。
清高な詩人、張衡の『思玄賦』を読むと、「離騒」になぞらえて、けがれた現実に背を向け、神仙の世界の潔白を慕って、そこに遊ぶ幻想を美しくうたいあげている。その美詩の中に、道徳の神髄とはなんど純粋なものであろう、と讃じた「何道真之湻粹兮(ナンゾドウシンノジュンスイタル)」という一句がある。『アメリカおける秋山真之』より
「湻」は、今日の「淳」にあたります。秋山真之の幼名は淳五郎です。そこから淳五郎のかわりに「真之」という二語を選んで、「さねゆき」と訓ませ、「秋山真之」になりました。
ちなみに兄・秋山好古は幼名が信三郎。
孔子の『論語』に、
子曰、述而不作、信而好古、竊比於我老彭
(子曰わく、述べて作らず、信じて古を好む。 ひそかに我が老彭に比す)
という言葉があります。
おそらくは、平五郎はここから名前をつけていると思われます。
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