- 2006年9月26日 23:24
- 乃木希典
乃木希典は一月の間に廃兵院に何度も足を運んだそうです。廃兵とは戦争により手や足を失ったとか、失明した兵士のことであり、乃木は御所や宮殿下からお菓子を頂戴したり、または知人から何か贈物があると、すぐに廃兵院へ見舞いとして持って行ったそうです。(写真は巣鴨にある廃兵院跡の石碑です。)
また、乃木は煙草を手にすると三度に一度は必ず、
「手のなくなったものは、これが出来なくて可哀相だな。何とかしてこれを採って喫むことの出来るような工夫がないものだろうかな」
と繰返し繰返し言ったそうです。
そこで、どうかして煙草をのみ、盃を取れるように義手を作ってあげたいと考え、義手に関する数々の書物や各種の標本や図を見て研究し、それを砲兵工廠に持ち込み相談し、とうとう作り上げることに成功しました。廃兵院で、廃兵の作品中とくによく売れるのは、「乃木式義手」と名づけられたこの義手によって描かれた絵だということだそうです。
この義手は一具作るのに50円もかかりました。それを乃木は勲功で賜った年金を当て自費でこの義手を作ったとのこと。日露戦争において自ら指揮し戦傷した兵士のために、乃木はそれを遠くの廃兵に送ったり、また自ら出かけて行って着けてあげたそうです。
謹啓
大将閣下より特に義手を賜り有難く拝受仕り候、依て自筆を以て御礼奉り申し上げ候 敬具
明治二十九年十二月二十一日
柿沼要平
乃木大将閣下
御執事御中
と、義手を送られた廃兵が綴った礼の手紙に、乃木は涙して喜んだとのことです。
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Comments:3
- 渡辺洋一 2007年9月 2日 01:19
初めまして、渡辺と申します。ホームページを興味深く見させて頂きました。乃木式義手というものがあるということは知っていましたが、乃木希典の人柄が伝わるお話で心が温まりました。ところで、HPにある柿沼要平さんが乃木大将にあてた手紙のことですが、どこか文献にあったのでしょうか。柿沼要平という人物も初めて知りましたので、著書などお教え頂ければ、有難いです。
- kaiZer 2007年9月 2日 03:00
はじめまして。
この書簡の参考文献は『明治大帝 附・明治美談』 (キング昭和2年11月号附録)となります。- 渡辺洋一 2007年10月26日 22:12
9月にお返事いただいていたにもかかわらず、その後、確認もせず、今日にいたりましたことお詫び申し上げます。「キング」の附録に、廃兵の乃木大将あて手紙のことが掲載されていることに驚きです。さっそく、購入して確認してみたいと思います。ありがとうございました。



