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渡辺崋山と児玉源太郎

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1841年(天保12年)の10月11日は渡辺崋山が国元の三河国田原の蟄居先で自殺をした日です。渡辺崋山は蟄居以来画道に精進していたといいます。

本日は渡辺崋山と児玉源太郎の逸話を一つ。

児玉源太郎は書画を愛玩するが、鑑識はさっぱりでした。ある日、黠商が児玉邸に渡辺崋山の山水大福を持ってきました。児玉はこれを激賞し、値段を問うたことろ500円というので、それをまけさせ300円で買います。しかしそれは贋筆でした。

ある人がそれを見て、「それは贋物である」と教えてくれます。
すると児玉はがっくりするどころか笑って曰く、

「しばらく黙って俺のやることを見ていろ」

と言って、すぐさま名木をもって箱をつくり、その箱を持参して書画に工みな杉聴雨を訪ねます。そして聴雨に、箱の題字を依頼します。これで杉聴雨の本物の箱と渡辺崋山の贋物とを床に飾り、真贋の見分けがつかぬようにしてしまいます。

そして、ある骨董商が杉聴雨の題字があるのを見て、その贋物ごと400円で買います。
児玉源太郎は300円の損を100円の利に買えました。商機なお軍機の如しと言えます。

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