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国交断絶の通牒

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1904年(明治37年)2月6日、栗野慎一郎駐露公使は、小村寿太郎外相より打電された「国交断絶の通牒」をロシア外相ラムズドルフに手交します。

坂の上の雲〈3〉二月四日の午後六時、日本は御前会議において国交断絶を決定した。
翌五日、外務省は露都ペテルブルクにいる栗野公使に打電し、その公文をロシア政府にわたすことを命ずるともに、東京にあっては六日、外相小村寿太郎が、駐日公使ローゼンを外務省にまねき、国交断絶を宣言したが、ローゼンはあきらかにとまどった表情をし、
「国交断絶とはなにを意味するのか、戦争を意味するのか」
と、たずねた。

坂の上の雲』(砲火)より

小村外相は、露都サンクト・ペテルブルクに駐在している栗野公使に、ロシアに対する国交断絶の最後通告を打電し、同時に在露公使館の撤退を命じました。栗野公使は6日に通告をラムズドルフに手交し、その夜に草々に露都ペテルブルクを離れました。

国交断絶の通牒

栗野全権公使

小村外務大臣

現下の時局を此上遷延せしむることは忍容すべきにあらざるを以て、帝国政府は懸案の談判を断絶し、露国の為めに侵迫せられたる我地位を防衛し並に我権利及び利益を保護せむが為め必要と認むべき独立行動を探るに決したり。依て、貴官は本電接取次第、左の公文を露国外務大臣ラムズドルフ伯に送付せらるべし。

日本国皇帝陛下の特命全権公使なる下名は、本国政府の訓令に遵ひ露国皇帝陛下の外務大臣閣下に対し左の通牒を為すの光栄を有す。
日本国皇帝陛下の政府は韓国の独立及び領土保全を以て自国の康寧と安全との為めに緊要缺くべたらざるものなりと思惟す。故に如何なる行為たるを問はず、苟も韓国の地位を不安ならしむるものは帝国政府に於て之を看過する能はず。露国政府が韓国に関する日本の提案、即ち帝国政府に於ては之が採用を以て韓国の存立を確実にし並に該半島に於ける帝国の優越なる利益を擁護する為め緊要不可決とする思惟する提案に対し、到底妥協の望なき修正を提出して執拗に之を拒絶したること、並に又露国が其の清国との条約及満州地方に利益を有する他の諸国に対し累次興へたる保障の存在するに拘はらず、依然該地方の占領を継続し、為めに甚しく侵迫を蒙れる満州領土保全の尊重を約することを執拗に拒否したることは、帝国政府をして自衛の為め其の採るべき手段を慎重に考量するの已むを得ざるに至らしめたり。
露国に於て了解し得べき理由なくして屡次回答を遷延し加ふるに平和の目的とは調和し難き軍事的活動を為せるに拘はらず、帝国政府が現交渉中用ひたる耐忍の程度は、其の露国政府との関係より将来誤解の一切の原因を除去せむことを忠実に希望したることを十分証し得て余りありと信ず。而も帝国政府は其の尽力の結果、帝国の穏当且無私なる提案若は又絶東に於て鞏固且恒久の平和を確立するに近き他の提案にたいしても露国政府の同意を得ることは、毫も其の望みなきを領徳したるが故に、現下の徒労に属する談判は之を断絶するの外他に選ぶべきを途を有せず。
帝国政府は右の一途を採用すると同時に自ら其の侵迫を受けたる地位を鞏固にし且之を防衛する為め並に帝国の既得権及正当利益を擁護する為め最良と思惟する独立の行動を採ることの権利を保留す。

栗野全権公使

小村外務大臣

貴官は別電の公文と同時に左の趣旨の公文をラムズドルフ伯に送付せらるるべし。

日本国皇帝陛下の特命全権公使なる下名は、本国政府の訓令を遵奉し、全露西亜皇帝陛下の外務大臣閣下に対し、茲に左の通告をなすの光栄を有す。
日本帝国政府は露西亜帝国政府との関係上将来の紛糾を来すべき各種の原因を除去せむが為め、有らゆる和協の手段を尽したるも、其の效なく、帝国政府が極東に於ける鞏固且恒久の平和の為になしたる正当の提言並に穏当且無私なる提案も、之に対して当さに受くべきの考量を受けず。従て露国政府との外交関係は今や其の価値を有せざるに至りたるを以て、日本帝国政府は其の外交関係を断つことに決定したり。
下名は、更に本国政府の命により来る十日を以て帝国公使館員を率ゐて露京を引揚る意思なることを、茲に併せてラムスドルフ伯閣下に通告するの光栄を有す。
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