- 2008年9月 7日 00:23
- 秋山好古
「飛鳥山ニ遊ブ」
というのが題であった。
好古は、なんのことかわからない。アスカヤマという山がこの世にあろうとは夢にも知らないのである。
飛鳥山とは、上野、隅田川堤とならんで東京における桜の三大名所なのである。
山といっても丘のようなもので、ふもとを音無川がめぐり、頂きを歩けば荒川の流れをのぞみ、国府台や筑波山を見ることができる。東京の者なら子供でもその地名は知っているだろう。『坂の上の雲』(春や昔)より
ちなみに、この東京の花の名所「飛鳥山」に、初めて桜を植えられたのが1720年(享保5年)9月7日の事になります。8代将軍徳川吉宗の命に依り、若山平蔵が、この日から3日間に亙り、桜の苗270本を植えたと云います。
この桜の苗は総て江戸城内に育った高さ1.5メートル位の樹を移したもので、翌年3月には更に風致を添える為、松と楓の苗木100本づつが植えられました。これらの樹が生長して、飛鳥山が花の名所として大いに賑わうようになったのは大体元文年間(1736年~1741年)以後で、俳人横井也有が『散り残る花はまだあり花の下』と飛鳥山を吟じたのは、植樹から約60年も過ぎた頃になります。
が、好古が知るわけがない。
(こりや、山の名ではあるまい。飛鳥(ひちょう)、山ニ遊ブ、とよむべきではないか)
そうだと思い、そう思うと急に勢いが出てきて書き始めた。
「余ガ故国伊予ニハ名湯アリ、道後ノ湯ト名ク。湯ノ里ニハ山アリ、山容ナダラカニシテ神韻ヲ帯ブ。古ノ河野氏ノ城趾ナリ」
というところから書きはじめ、その山に鳥が大よろこびでいるとう描写をした。『坂の上の雲』(春や昔)より
東京育ちではない好古は、「飛鳥山ニ遊ブ」を「飛鳥、山に遊ぶ」解釈してしまい、鳥が大よろこびで山で遊んでいるという描写を作文に書いてしまうというミスをしてしまいました。
まあ、それでも試験には無事に合格します。
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