
天王寺村にあり。荒陵山と号す本尊如意輪観音にして、名高き古刹とす。古え聖徳太子の経文を講ぜし古跡なりと堂北に古鐘ありて、無常寺の鐘と称せり。境内桜樹萩草を多栽し公園とす。
世界第一の大釣鐘竣工大阪市四天王寺の大釣鐘が出来上がったのは、1903年(明治36年)1月24日であった。この大釣鐘は聖徳太子1300年の御遠忌を記念されて鋳造したもので、その重さ実に42,000貫(約158トン)というから、伝説で釣鐘を担ぎ出した弁慶でも、裸足で逃げるであろう。高さ2丈6尺(約8メートル)、周円5丈4尺(約16メートル)で、大人が10人掛らねば取囲む事は出来ない。口径1丈6尺(約5メートル)、厚さ1尺6寸(約50センチ)、殊にその低部の厚さは2尺2寸(約67センチ)で、世界第一と称せられる。
現在ロシアのモスコーに、一部分壊れたままに保存されている世界的の巨鐘も、四天王寺のより稍小さく、我国では京都方広寺の鐘も重量22,000貫(約83トン)という自慢のものであるが、四天王寺のそれに比ぶれば大体半分である。
處がここに一つ残念な事は世界一を誇る我が四天王寺の大釣鐘も、鋳造後間もなく微小な亀裂を生じたため、今日まで黙々と音を発しないという事である。
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