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靖国神社

靖国神社

九段坂の上にあり。維新以来征清の役に至る王事の為に戦死せし霊を祀る。社殿高潔庭園清雅。毎年五月十一月の五六七日を以て招魂祭を行う。社地大村益次郎の銅像其他見るべき者多し。
靖国神社の英霊最初の烈士、稲次因幡の自刃

靖国神社には、1940年(昭和15年)春季の臨時大祭迄に、179,400柱の殉難烈士の英霊が祀られているがその殉難忠魂史の年代順から見ると、いの一番を飾る英霊こそ、1853年(嘉永6年)12月3日、勤王の大義のため割腹して相果てた、筑後久留米藩の稲次因幡正訓その人である。

稲次因幡は久留米藩主有馬右近の家老職で25歳の少壮ながら、同志眞木和泉守保臣等と相呼応し、尊王の大義を唱えて、藩の内外に呼びかけ皇国の臣節を明らかにしようとした。然るに同じ藩中の同役吉田監物等は、徳川幕府二百数十年来の恩義を忘れた不忠不義の臣だと排撃して、遂に彼を幽閉して終った。稲次の悲憤遣る方なく、何れは大逆臣の汚名を着て、軽くて永の遠島、或は斬罪を申渡されると運命は谷っている。ここは至って深く覚悟を定め、武士らしい最期を飾って、潔く自刃して相果てたのであった。

以来同藩から続々と勤王愛国の志士が輩出されたのも、彼から受けた直接間接の感化のおかげであった。

靖国神社例祭(10月23日)

十数万の護国の英霊を祀る東京九段の別格官幣社靖国神社に於て本日より三日間秋季例大祭が執行される。同社の例大祭が初めて行われたのは、明治2年9月21日であったが、その後明治38年10月23日、日露の役に大捷を博せる我が海軍の凱旋観艦式が横浜沖に挙げられた記念の日を以て秋季例大祭、又明治39年4月30日、青山に於ける陸軍凱旋大観兵式の日を春季例大祭と定められ、事変中或は事変直後には、数多の神霊を合祀して臨時大祭が併せ行われ一層の賑盛を極める。

例大祭当日は畏き邊から特に勅使を御差遣あらせられ、大祭或は臨時大祭には、大元帥陛下御親拝あり、御殊遇大御心の程に英霊の神位牌として輝き渡り、我等臣子の感銘愈々深いものを感ずる。

*10月23日の秋季例大祭は終戦まで、現在は10月18日

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