
広島城(鯉城)
文禄年中毛利輝元の築きしところあり南に瀬戸内海を控え三川の流れ分岐して其周囲を繞れり。毛利氏より福島氏に帰し福島氏の亡後浅野氏の居城たりしと250余年以て王政維新に及べり。現今旧観の多くは失せて城址は第五師団の営所となり中央に聳ゆる天守閣のみ高く雲に聳えて今も師団の雄偉を表しつつあり、閣の高さ17間5尺、基礎は東西12間南北9間にして征清の役に大本営たりし司令部は其南隣にあり。城外は遥に山と隔たるを以て四方より広島市に入るものは数里の遠さより已にこの高閣を望み、往年を想いて更に近き征清役の偉績を仰ぐべきなり。『日本之名勝』(明治33年)より
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