
大阪城
大阪市の東端法円寺阪町に在り、一に金城と号し、天正11年、豊臣秀吉の築く所にして城の周囲一里余、東南は玉造の平原に接し、東北には猫間川、寝屋川の二流を擁し、追手京橋、青屋、玉造の四門を開き、其石材は多く諸侯の寄附に係り、遠く百里外の地より運輸し来れるものにして、今尚お長さ数十間の巨石を塁壁の中に観るを得べし、古へは城地極めて宏大にして、其外郭、南は道頓堀附近に及び西は、東横堀に亘りしも、元和元年、豊臣秀頼没落と共に、城櫓多くは灰燼に帰し今存する所の城域は、只だ当年の牙城のみなりと云う、此城今は第四師団の本営となり、年々旧式の建物を毀ち去りて、旧規今存する所のもの少きも、石塁高く、濠渠深く、猶お人をして、当年を想見せしむるに足る。『日本之名勝』(明治33年)より
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