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日英同盟の成立

日英両国間に於ける識者の希望は遂に事実となって現はれ、両国の同盟協約は一月卅日倫敦に於て全権の調印を終り即時より有効のものとして十二日の議員に披露せられたり。

議員に於ける拍手喝采は全国に波動して良好且つ重大なる感動を喚起すべきことは云ふまでもなく而して英国に於ても同日を以て議員に披露せられたる筈なれば、全英国を通じての感動も頗る重大且良好なりしことと推測するに余りあり。

同盟協約の全文は我が国民新聞が第一著に号外を以て、報道し又別項に再録するが如く六ヶ条を以て成る。その主眼は桂首相が貴族院に於て説明し、小村外相が衆議院に於て説明し両相が其の用語をも同じくして説明したるが如く平和的にして、近くは北清事変以来清国の騒擾に驚かされ、又或る強国(勿論露国をいふ)の政策によりて脅かされんとしたる極東の平和を益々鞏固にし英国に取りては清国に於ける権利及び利益を擁護し、日本に取りては清韓両国に於ける権利及利益を擁護し、且つ両国のみならず各国をして均等の利益に浴せしめんとするに在り。即ち協約の前文に於いて三箇の目的を明記すること左の如し。

一、日英両国の同盟によりて極東に於ける現状及び全局の平和を維持する事
一、全局平和の中核たる清韓両国の独立と領土保全とを維持する事
一、清韓両国の独立と領土保全とを維持する事により協約の当事者たる日英両国のみならず各国民の商工業をして均等の機会を領有せしむる事

此の三箇の目的を有する同盟は侵略的同盟にあらざる事勿論にして、且つ利己的同盟にあらざる事明白なり。北清事変以来列国の宣言に微するに極東の現状及び全局の平和を維持する事及び清韓両国の独立と領土保全とを維持することは、各強国の希望する所なれば、此の目的の為めに日英両国が公然同盟したるは各強国に取りても異存なかるべきのみならず、寧ろ希望すべき所にして而して、同盟両国が此同盟によりて単に両国の利益と権利とを擁護するのみならず、同盟以外の各強国の為めにも商業上、工業上均等の機会を供せんと希望したるは各国強国の寧ろ満足すべき所なるべし。更に語を換へて之を説明すれば、日英の同盟協約は飽くまでも平和的なるが故に利己的ならず、其利己的ならざることによりて平和的なることを証明するものなり(下略)

    

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